井上陽水さんの「氷の世界40年記念」のコンサートに行って来た。
ずっと会いたかったアーティスト。
私と陽水さんとの出会いは40年前に遡る。
というと語弊が在るが40年前に叔母の部屋で初めて聴いたというのが正確だ。
叔母は陽水さんが好きで当時発売された氷の世界のレコードを掛けていた。
壁にはアランドロンの大きなパネルが飾られ、
真っ赤なソファベッドにカーラーで巻いた髪の毛と
香水の香りが子供の私には居心地悪かった。
これから遊びに来るという年下のボーイフレンドとの交際を
叔母は親に反対されていたので私は出汁に呼ばれていた。
陽水さんの曲はそのどれとも似合わなかったのが思い出である。
叔母はその年下のボーイフレンドと結婚した。
私はずっと叔母に訊きたかったのだ「今でも陽水さん聴くの?」。
その叔母は今、ガンセンターで治療を続けている。
今夜のコンサートに連れて来てあげたかったなと叶わぬ思いが横切った。