馴染みの無かった歌舞伎座近く、東京でも用事がなければ行かない場所に
用事が出来たので月1度訪れている。
その切っ掛けで知った喫茶店「樹の花」。
或ることで有名な店だ。
その或ることとは、なかなか無いであろうジョンレノンとオノヨーコが訪れた東京の喫茶店ということ。
35周年を迎えたと微笑む樹の花の店女の瞳がその歴史を語るように奥深い。
訪れる度に店女と話しながらその瞳を見入り、どのくらい深いのかと幼心に覗き込んでしまう。
店内のあちこちにジョンとヨーコが書いた文章が無造作に掛かっている。
この文字の主が一年後に暗殺されてしまうとは。
樹の花35周年を記念し焙煎された有機豆のブレンド珈琲「イマジン」。
恐る恐る口を近づけると、そのカップに漂う香りと珈琲の味はその店女のイメージそのものだった。