むかしの詩

むかし、誰へ送るわけでもなく

毎日、葉書に書いていた詩。

ある時は書かされているかのようにペンが走ったり

ある時は書きながら自分を笑ったり

ある時は書くことで救われたり

ある時は書け無くなったり

今思えば、詩を書いている時が一番心が白くなれた気がします。

詩など微塵も浮かばず、遠く遠くへ離れてしまった時、

私の心も行方不明になっていました。

こうしてむかしの葉書を何十年も側に置いているのは、きっと何処かでわかっていたのかもしれません、

いつかここに還ってくることを。

心の行方不明をしないですむのなら、それもまた側に置いていた甲斐があります。